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ヒャクブンはイッケンにシカズ (4)

2015年10月8日 - ヒャクブンはイッケンにシカズ / 連載

テキスト・写真     鈴木一成

◎ アートの感じかた

「中之条ビエンナーレ」に行ってきました。
トリエンナーレやビエンナーレをはじめとするアートイベントやフェスティバル、いまや日本中で開催されています。芸術の秋は特に多いですよね!
こういったイベントは我々ギャラリーからすると、より多くの人々にアートに触れてもらう良いきっかけになるのではないかと期待を寄せている部分があります。
普段ギャラリーにはちょっと近寄りがたいと感じている方も、こういったイベントには積極的に参加しているのではないでしょうか?
またそういった多くの人々の注目を集めることを期待して、地域再生の足がかりとしてアートイベントが開催されている例も少なくありません。

さて今回ご紹介する中之条ビエンナーレ は、2007年に第一回目を開催して2年に一度、2015年の今年が 5回目の開催。古くからある温泉郷に囲まれた山間の町を舞台に開催されている、関東では一番大規模な芸術祭なのではないでしょうか。(あ、芸術祭って書いちゃった)
僕は2日間かけて廻ったのですが全てのエリアを観ることが出来ず悔しい思いをしています…。
では、もう会期終盤になってしまったけど…写真と共にご紹介します。

 


 

*写真は敬称略です。
作家名(プロジェクト名)/会場名/エリア の順で記してます。

中之条駅を出ると目の前にあるのが通運ビル。ここでマップとかを手に入れよう!

中之条駅を出ると目の前にあるのが通運ビル。ここでマップとかを手に入れよう!

 

 

  上光陽 / 林昌寺門前 / 中之条伊勢町エリア

上光陽 / 林昌寺門前 / 中之条伊勢町エリア

大石麻央 / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

大石麻央 / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

KANNO x KANNO / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

KANNO x KANNO / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

KANNO x KANNO / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

KANNO x KANNO / 旧廣盛酒造 / 中之条伊勢町エリア

クリスティアン・ボッフェッリ / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

クリスティアン・ボッフェッリ / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

ご近所の方が弾くピアノの上に彫刻作品が! 「ピアノを弾くと目が合うのよ~」と。 堀越達人 / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

ご近所の方が弾くピアノの上に彫刻作品が!
「ピアノを弾くと目が合うのよ~」と。
堀越達人 / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

加藤崇 / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

加藤崇 / 中田木材 / 中之条伊勢町エリア

斎木三男 / 道の駅「霊山たけやま」 / 伊参エリア

斎木三男 / 道の駅「霊山たけやま」 / 伊参エリア

小林達也 / 旧五反田小学校 / 伊参エリア

小林達也 / 旧五反田小学校 / 伊参エリア

 


小林正樹 / 旧五反田小学校 / 伊参エリア

小林正樹 / 旧五反田小学校 / 伊参エリア

机の傷も作品なんじゃないかと疑ってみたり。

机の傷も作品なんじゃないかと疑ってみたり。

林麻依子 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

林麻依子 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

もはやビエンナーレのシンボル!? ジェット二宮金次郎! 飯野 哲心 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

もはやビエンナーレのシンボル!? ジェット二宮金次郎!
飯野 哲心 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

持ち上げられた地面 吉野祥太郎 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

持ち上げられた地面
吉野祥太郎 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

チェンマイ交流展 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

チェンマイ交流展 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

自分の髪の毛で階段を拭き続ける映像。今回のお気に入りです。 エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

自分の髪の毛で階段を拭き続ける映像。今回のお気に入りです。
エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

 


 

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

エンプティ・ガーデン / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

旧伊参小学校の入口にある巨大な楽器

旧伊参小学校の入口にある巨大な楽器

ニア・プシュカロヴァ / 伊参古民家 / 伊参エリア

ニア・プシュカロヴァ / 伊参古民家 / 伊参エリア

山口信哉 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

山口信哉 / 伊参スタジオ / 伊参エリア

エリア間の移動中は長閑な風景が続く。野生動物の目撃情報も多い。

エリア間の移動中は長閑な風景が続く。野生動物の目撃情報も多い。

藤林悠 / 積善館 向新 / 四万エリア

藤林悠 / 積善館 向新 / 四万エリア

 


本郷芳哉 / 大黒屋 / 四万エリア

本郷芳哉 / 大黒屋 / 四万エリア

おそらく今回はここが一番大規模に展開されている会場の旧第三小学校。

おそらく今回はここが一番大規模に展開されている会場の旧第三小学校。

懐かしい廊下の光景。

懐かしい廊下の光景。

渡邊智子 / 旧第三小学校 / 四万エリア

と思いきや大胆な展示!
渡邊智子 / 旧第三小学校 / 四万エリア

渡邊智子 / 旧第三小学校 /  四万エリア

渡邊智子 / 旧第三小学校 / 四万エリア

村上郁 / 旧第三小学校 / 四万エリア

村上郁 / 旧第三小学校 / 四万エリア

作家名未確認(ごめんなさい) / 旧第三小学校 / 四万エリア

作家名未確認(ごめんなさい) / 旧第三小学校 / 四万エリア

大成哲 / 旧第三小学校 / 四万エリア

大成哲 / 旧第三小学校 / 四万エリア

作家名未確認(ごめんなさい)/ 旧第三小学校 / 四万エリア

作家名未確認(ごめんなさい)/ 旧第三小学校 / 四万エリア

これは小学校のもの。良い。

これは小学校のもの。良い。

 


 

鈴木孝幸 / 旧第三小学校 /四万エリア

鈴木孝幸 / 旧第三小学校 /四万エリア

三浦かおり/ 旧第三小学校 / 四万エリア

三浦かおり/ 旧第三小学校 / 四万エリア

野内俊輔 / 第三倉庫 / 四万エリア

野内俊輔 / 第三倉庫 / 四万エリア

学校の外からはこのような感じ。 杉田陽平 / 旧第三小学校 /   四万エリア

学校の外からはこのような感じ。
杉田陽平 / 旧第三小学校 / 四万エリア

蛇野と言う名の会場外観。

蛇野と言う名の会場外観。

永井文仁 / 蛇野 / 沢渡エリア

永井文仁 / 蛇野 / 沢渡エリア

暗闇で光る木彫作品 大野公士 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

暗闇で光る木彫作品
大野公士 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア

確か’11年の藝大・先端卒展で観て以来 下村千成 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア  今回観た中ではベストな展示。是非実物を観て欲しい。

確か’11年の藝大・先端卒展で観て以来
下村千成 / 旧伊参小学校 / 伊参エリア
今回観た中ではベストな展示。是非実物を観て欲しい。

建物と場所を活かした美しい展示。 鈴木のぞみ / 丸伊製材 / 沢渡エリア

建物と場所を活かした美しい展示。
鈴木のぞみ / 丸伊製材 / 沢渡エリア

髙島芳幸 /沢渡ギャラリー / 沢渡エリア

髙島芳幸 /沢渡ギャラリー / 沢渡エリア

 

 

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冒頭で僕があえて(芸術祭って書いちゃった)と記しているのですが、それは僕が普段働いているギャラリーという現場や国際展と呼ばれるトリエンナーレ・ビエンナーレと、中之条のような地域と密接な関係で開催されるアートイベントには『理解の違い』が存在しているように感じているからです。

僕の考えでは、現在の現代アートを牽引しているのは主にコンセプトです。
ちょっと回りくどい言い方になりますが、その作品が誰かに伝わる時、技術や感情や熱量はコンセプトを補完するものであるのが理想的なのです。
ギャラリーや美術館といった空間は、ある意味作品が一番よく伝わるようにされた場です。その為に空間はシンプルであったり、キャプションやテキストが準備されていたり、必要であれば我々は作品の解説もします。

今回ご紹介した中之条ビエンナーレはビエンナーレと言ってはいますが、どちらかというとフェスティバル(芸術祭)としての傾向が強く感じられました。
これは各地で開催されている地域密着型アートイベントの多くに言えることですが、サイトスペシフィックであるということが大きく起因しています。使い古された家屋や、かつては子供達の声が響き渡っていた校舎、日本の原風景とも言える豊かな自然と隣り合わせであること…。
これらと真正面に向き合ったり、時には寄り添ったりしながら “在る” 作品は、作家のコンセプトを越えて鑑賞する人々の感情に訴えかけることが往々にしてあります。それこそが “よくわからない現代アート” の「考える」スイッチを押しているとも言えます。

僕は、フェスティバルにおける祝祭性やサイトスペシフィックであることもアートのもつ素晴らしい一面であり、現代アートが日本の文化として根付いていくのであれば、フェスティバルの様相を纏ったアートはとても良い入口になると感じています。
実際、この中之条では回を重ねる毎に関わっている地域の方々の「現代アート」の理解度が深化しているのが感じられます。とても楽しそうに「この作品は~」と解説をしてくれます。回を重ねる毎に地域に増えていく作品をまた二年後に観るのが楽しみだと話してくれます。
また、今回は前回より多くの海外作家が参加していたのも印象的でした。
こうやって少しづつ地域と理解を広げながら、視野を海外へ広めていくことでビエンナーレと呼ばれる芸術祭は特異なイベントになっていくのではないでしょうか?
”芸術の秋” 真っ只中、ちょうど街では様々なイベントが目白押しです。是非、それぞれの楽しみ方をしてみてください!

 


◎ 鈴木 一成 /SUZUKI Kazushige
1972年 東京生まれ。桑沢デザイン研究所写真研究科卒。
3年間の渡仏生活を経てフォトグラファーをしながら個展やグループ展で作品を発表。
巡り巡って現代アートの Gallery OUT of PLACE TOKIO にてディレクター業、桑沢で非常勤講師。ゆっくり制作、たまに作品展示。
http://kazu72shige.tumblr.com/

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プロフィール写真
©Jun MIYASHITA

 

 

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