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TALK ROOM 第1回 「進化する自撮りとSNS、そのつながり 1/2」

2015年12月22日 - TALK ROOM / TOPICS / 連載

TALK ROOM < 第1回 >  安東和之 × サイトウケイスケ × さいあくななちゃん
「進化する自撮りとSNS 、そのつながり」前編


-きょうは、安東和之さん、サイトウケイスケさん、さいあくななちゃんの三人のアーティストの立場で「自撮り(Selfie)」というテーマで、思うことを何でも話して頂こうという企画なんです。 初めての顔合わせもあるとおもいますが、どうぞよろしくおねがいします。
安東 (以下-安),  サイトウ (以下-サ), ななちゃん (以下-なな)
よろしくお願いします。

-そもそも安東さんが「自撮りおじさん」を名乗るきっかけはなんだったんですか?
なな:安東さんのタンブラーみました、「自撮りおじさん」楽しいですよね。すごいたのしくて。でもいまは「自撮り」してないですよね?
:それって、そもそも自撮りをしてないんじゃないかっていう、、disりというか!?
安:ツッコミですね、、(笑)  そもそも自分で(自撮りおじさんを)名乗っていないんですよ。
:え~~!?
安:サイト名が「自撮りおじさん」っていうタイトルで。ぼく的には作品名というイメージで、、でもそれはどうでもいいんですけどね。「あ、自撮りおじさんだ」って言われてもいいですし。(自撮りを)する人ではなく、それを見てる人というか、面白いなっていう感じで、見てる立ち位置なんですよ。なんでしょうね、ぼくの人生の中で常にやってみないとわからないっていうのがあって、「自撮り」をしている人達とも”中から”みたいな感じで、仲良くなれたりするし。ななちゃんと会ったのもそういうきっかけでした。
なな:そう。なんか去年やった下北沢美術館ていう企画の中で、「自撮りワークショップ」があって。最初はわたしは女の子とふたりでやろうってなってたんですけど、たまたまそのふたりで遊びにいったグループ展にいらっしゃってて、「あ、しってる!?」って声かけて。「今度ワークショップやるので、でません?」って。
安:それ、その時におもいついたんですか?
なな:はい。
安:じゃあ、運命の出逢いですね。
なな:あはは (笑) 。それで無事に安東さんとワークショップも愉しくできたんですけど、下北沢美術館の人達からは嫌われてたんです。
:え、なんで!?
なな:なんか(自分たちが)良いあんばいだったんですよ… (笑) 。
安:ぼくはあんまり嫌われてる感じはうけなかったですけどね、、むしろスタッフの人は面白がってくれていて。でも裏のエラい人には嫌われてたかも (笑) 。
:でもなんかエラい人に理解されないっていうのは、重要な気がする。
なな:あ~~、すごい良いこと言います。
:本当におもしろいことだから理解できないんだと思う。
なな:うれしい、よかった。
安:うん、そういうこともあるかも。
なな:ほんとですか。でも、一番端っこのテーブルだったんですよね。でも、ワークショップで10席くらい椅子があって、それが全部うまった時があったんですよ。そのとき皆で自撮りした瞬間がすごい良くて、たのしくって、感動した。
:すごい画だなあ、儀式っぽいですよね、もはや(笑) 。
安:宗教感が、、すごいですよ。教祖なな様を中心に。
:おもしろいですね。
なな:それからあとは安東さんとはあんまり会う機会もなくて。
安:よくメシ食いにいくとかでもないし。でもツイッターとかではみてたんですよ。ななちゃんがんばってるなあ~、おれワークショップ一緒にやったんだなあって。ニコニコしてましたよ。
なな:あはははっ、ありがとうございます。うれしいです。
:だってもう大人気じゃないですか、ななちゃん。
なな:ぜんぜん人気じゃないですよ。
:RTの数とかもすごくないですか?
なな:そんなところみてるんですか!?  コワいですねー (笑) 。
:それってコワいんだっ!?  だって自分もななちゃんのRTするじゃん、そしたらすでにこんなにRTついてんの!?みたいな感じで。
安:ひとつひとつをガーーっとみてる訳じゃないんですよね (笑) 。
なな:そうか~嬉しいですね。
:オレこんな数だしたことないのに、、やっぱ人気者だなあって。
安:でも、そういうの見る人多いと思いますよ。ツイッターだったら、ファボの数とRTの数とかフォロワーの数とかで、戦闘力はかるみたいな所あるんじゃないですかね。
なな:えー、コワいですね。でも、そんなの当てになんないですよね?
安:ななちゃんそういうこと全然気にしないですか?
なな:ぜんぜん気にしないですね。
:すごいね!
安:マジで !?
なな:なんか、そういう数の強さとかってどうせ終わると思ってて。わたしは本当にスキでやってるし、それは終わんないと思ってるから、いいかって…。
:すごいね。なんか格言っていうか「わたしは終わらない」っていうのは最高だと思う。
安:じゃあ、もうトーク終りにしましょうか?!これ以上いい言葉はでてこないだろうし  (笑) 。
なな:でもね、そういう数とかを気にする女の子とかの話はきくんですよ。「自撮り」を載せたのにこれしか….. みたいな。そういうのをきくとスゴいきゅんってなっちゃう。なんかすごい満たしてあげたいっていうか。
安:ああ、でもわかる。

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(左から) さいあくななちゃん、サイトウケイスケさん、安東和之さん

 

– 安東さんは現在も「自撮りおじさん」のサイトは続けてるんですか?
安:ぼくが「自撮りおじさん」ではないので、サイトは存在してますっていう。更新頻度はおちてますけど。
サ:でも、ぼくも自分で「自撮り」をするんじゃなくて、「自撮り画像」がすきっていう意味では同じだと思います。「自撮り」をしてる女の子が好きっていう感じです。
安:なんかぼくとサイトウさんって似てる部分があるんですよね。
サ:ななちゃんは自分で「自撮り」はするんですか?
なな:前は結構していて、安東さんとワークショップしてた時あたりが一番やってて。でもある日から自撮りを載せるとめんどくさくなってきちゃったんですよ。「そこ!?」ていう所にリプライがきて、「絵」と「自撮り」を載せると絶対自撮りの方に寄ってくるのが面倒くさくなってきちゃって、私は絵が描きたいんだから、自撮りでやってるんだったら、、って思ってきて。このままだったら<自分>が勝ってしまうから、絵でがんばろうって思ってもうほぼ、やめました。
安:寄ってくるっていうのは、「かわいい〜」とかの感想 ?
なな:なんだろう、、そういうのとか。 あと<自分>に対してきちゃう。「たべもの何好きですか?」みたいな (笑)。
安:なるほどー。
なな:わたしはアイドルじゃないしって。それで絵がメインじゃなくおかずにされちゃうんですよね。なんだろう、、けっこう満たされちゃったのかな?!自分はこうやって接してもらったし、もういいやと思っちゃったのかな。本当に絵が大切だから、やめたんです。でも、最近ちょっとまた載せたんですよ。でも全然ファボがなかったんですよ。だから良かったんだって、これがやりたかったんだって。<わたし>は必要ないし、もうやんねー!と思って(笑)。
サ:じゃあ、もう絵が勝ったってことですよね。
なな:そう。なんかもう小さいブスだし…みたいなのが、いやなんですよね。インターネットの中だけはカワイくなれるから自分にとってはすごい武器になったし、一生会わない人に見られるんだからどうでもいいとか思って、いっぱいフォトショップとか使ってたんですよ。でも会いにきてくれる人が増えたっていうのもあって、実際こんなもんなんだっていうのって苦しいじゃないですか。なんかもうブスだから、しょうがないし、インターネットにどんなに頑張って自撮りのせても元からかわいい人には勝てないんですよ。わたしは元々こうなってるんだから、そのかわいくない分を芸術とかそういう活動で補って、女性として生きなきゃいけないと思うんです。
サ:女性としてっていうより、作家としてっていう感じなのかな?
なな:やっぱり顔出しはやめると思うし、次のDMで最後じゃないですかね。
安:でも、ぼくはそういうのから卒業したときの顔にみえるんですけど、そんなことないですか?
なな:そうなんですかね..。ぜんぜん笑ってないし。
安:カワイくはない気がしますけどね、、。でもカワイいですけど。
なな:いいんです。いいんですよ、そんな(笑)。

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– 「自撮り」をやっていたのはいつぐらいまでですか?
なな:一年前くらいですかね。(安東さんと)自撮り新聞までやってたんですよね。
安:ほんとは三人でやっていて、もうひとりの女の子と。対談とかやって<自称ブスな人>とかとも。
なな:自称ブスの人とかって、自撮りをしてて自分のことカワイイって思ってるヤツらむかつく、とか。そんな感じで面白かったですよ。
安:でも自称ブスっていっててても、ブスじゃないんですよ。

– 「自撮り」をして沢山ネットなどに載せる方もいますけど、どういう思いでみますか?
なな:なんかそういうのをみると、本当に尊敬ですよ!わたしを存分に消費しろっていう感じじゃないですか。でも、ちょっと行き先がコワいです。どうなっちゃうんだろうって。そんな身を削ってまで…って思ったり。でもそこまでしても自分を認められたいとか、カワイイって思われたいって女の子ならおもうじゃないですか。そういうのが自分にはもうないんです。ないというより無理だと思ってるので、そういう女の子は応援したいんですよ。「がんばれっ」て思うし、絵を描いてるからそういう子が頼ってきたらなんでもやりますよ。
サ:わかる。でもそれって最近になってその流れじゃないですか?携帯電話とSNSの発達で生まれたから、本当にここ数年ですよね、当然のように「自撮り」が流行るというか。まだプリクラとかでやってたけど、無料でつくれてアップできるようになってるから、それをみるのは楽しいし、愛しいし、応援したいってなるんだけど、SNSの中毒性を考えると今の中高生とかって、大変だろうなって。

– 1日がかりで撮って加工したものを載せたりとかもあるようですけど?
サ:そうです。もう何回も撮って、直して、かなりクリエイティブですよ。
安:芸術家がふえますよね(笑)。
サ:まあそうです、それも大事なんです。それらをアップしたら今度はコメントがくるかっていうドキドキでチェックしてって、毎日できますし。ぼくはインスタの自撮りのフィールドワークって呼んでるんですけど、#(ハッシュタグ)をひたすらストリートを歩くようにサーフィンする事で、いろんなことが見えてきて。「受験だからインスタやめます」とか宣言してる子がいたりとか、相当じぶんを戒めないと抜け出せないメディアなんですよね。SNS自体がですけど。
安:たいへんだ。
なな:たいへんですよ、本当に。
サ:さっきななちゃんが言った、「自撮りはもういいから絵を描こう」って話の逆バージョンを知っていて。絵を描いていたモデルさんが自撮りの方が圧倒的にはやく絵作りができるっていうのに気づいて、そっちをガンガンやってモデルさんとしてどんどんなっていく人っていうのがいて。個展でもいってたんですけどかなりクリエイティブで美しい絵がだれでも簡単に撮れるようになってきてて、構図も操作できるし、かなり作品として強いと思うんですよ。そんなものすごく強いものが誰でも手軽に作れる時代っていうことで、「自撮り」っていうのは面白いメディアだなって思ってます。

– ツールもSNS自体も進化していくなかで、その状況がエスカレートしてゆくと「自撮り」はどうなっていくと思いますか?
サ:このずっと先は、歩きスマホの一体化みたいになる予感がしてて。アップルウォッチってそうかも知れないです。駅とかで見てても歩きスマホが当たり前じゃないですか、もはや。だから「歩きスマホやめましょう」とか「子どものスマホ依存やめましょう」とかいっても、無理な話じゃないですか。どんどん一体化してくると思う、なんか。
なな:めっちゃこわいですよね。
安:それほど密接に繋がってるってことですよね。
なな:相手のことも考えなくなってくるじゃないですか、ぜったい。文字とかで見えちゃうから、相手のこともあまり考えなくなると思う。なんかSNSがあると出逢いがすごくうまくいくと思うんですよね。それが寂しいんですよ。高校生のときは(SNSも)なかったから、あんなに妄想してたのに、、、
サ:妄想、、?! どんな?
なな:なんか「スキかなあ、、」「スキじゃないかなあ、、」とかすごく考えてて。SNSがなかったから、あたし相手のこともスゴい考えてたんですよ。こういう色がすきかなあとか、こういうアニメすきかなあ… とかスゴい考えてて。でも今ってなかでけっこう見れるじゃないですか、それで考えなくなっちゃって、スゴいこわいと思う。なんか簡単に人を傷つけそうだし、傷つけられそう。それにこうすればこういう反応がくるだろうから、こういう性格にしようみたいな事に長けていきそうな気がして。なんか自分の見せ方をすごい作れるものな気がするから、ちょっとコワいですよね。
サ:そういうスキルは今みんなすごくあると思う。
なな:みんな同じ性格になっていきそう。

-もしそうなっていった時は、自分の描く絵とかは変ってくるんでしょうか?
なな:どうなんですかね…。
サ:なんかさっきのスマホの一体化がコワいっていうのと、ななちゃんの絵が繋がるなって思っていて、一体化っていうのはデータ化とか見えないものになってるけど、ななちゃんは身体性を大事にしてるんじゃないかなあって、身体で描くというか。だからその考えはスゴく分る。
なな:そうですね、大切にしてますね。
サ:スマホとかが加速すると、身体からどんどん離れていくというか。全部スマホみれば考えてる事がわかるみたいな。なんか、便利さが豊かさを奪うみたいなことを考えたりするんですけど、いままであったような「あの子なにが好きかなあ、、」みたいな事もすぐにツイートを遡りまくったり。
安:正解がのってますからね。
なな:そう。あと歌番組とか見てもよく思うんですけど、「わたしこんな事ぜんぜん思っていないのになんじゃこりゃ」みたいに思ってます。わたしの好きな歌全然ないなあって。なんかコワかった、みんな踊っててw
サ:わかる。そういう思いはぼくは高校生の時に直撃してて、テレビの世界はもう嘘というか、音楽とかも。ミュージックステーションに自分がスキな音楽はでないんだっていうのがスタート地点で。激しい音楽とかエモーショナルなものっていうか、ホントのことは絶対映らないんだなって。そういう所が出発点だし、そういうことを最近は増々ななちゃんが感じてるっていう。
なな:そう、なんかビックリしましたよ。スゴくないですかいまの曲?
安:そうか、、あんまりオレ知らないから。
なな:なんかね意味がなくても良いんだって、、意味がないものでもいいんだ、、Hey!!みたいな。「Hey!Hey!」ってずっと言ってりゃいいのかって(笑)。
安:みんなHey!っていってた?!
なな:こんなんでいいのかって、、なんでわたしはこんな苦しんでるんだろうって。「Hey!  Hey! 」言ってりゃいーんだって(笑)。
サ:ぼくは多分、ななちゃんより一周くらいしてて、J-POPとか面白いなって楽しめるようになったかも。ただ高校生のころは全否定だったから。ななちゃんとひと周りくらい年も違うせいだけど、自分もその時代は煮えたくってから。
なな:本当に、煮えたくってますよ。このままじゃ想像力が欠けると思って。最近は外国の音楽も沢山聞いてます。このひとは今こういう気持ちだっていうのをずっと考えてます。
安:そっか、確かにめっちゃ想像力いる。
なな:英語わからないから、こういう時にはこの人こういう歌だとか、、。このままじゃ本当に考えなさ過ぎて、どうにかなっちゃうって思いながら、外国の音楽きいてますね。
安:ストイックですよね。自分を保つためのというか。

サ:そもそもおれはTVを置いて無いもんね。みなくてもいいなって思ったし。TVをながながみてる時間って勿体ないし、あると観るし楽しいんだけど、地デジの切り替えとかもあって液晶テレビ買うのもなんか面倒だし、それで放っておいて4~5年。でもその分ネットはし過ぎてるかも。
安:それってただの現代病じゃないですか!?
サ:You tube 観まくってるから偏りまくってるかも(笑)。

 

– 今後、仮にネットだけを使う人ばかりになったら、制作や活動してゆく方法は変っていきますか?
サ:ぼくはそっちの方に乗っかっちゃうかも。実際に山形から東京にきてからかなりインターネット界隈に埋没していった感じなんです。地方にいるとネットでしか発信できないんですよ。東京にでてくる時も、それでなんとか直接繋がりたいっていうのがあって。沢山の人と知り合うチャンスというか、出会うべき人がいると思ったんです。そしたら増々ネットをしまくるようになって。それでツイッターとかインスタグラムで知り合った人が個展にきてくれたりとか、そういうところは乗っかっちゃてる感じ。でも1回やめようとしたんです。スマホからアプリを消すくらいなんですけど、やっぱり連絡がつかなくなっちゃて、すぐ復活して、そこからリバウンドした感じなんです。そういうところは、ななちゃんは逆にスパっとやめれそうな気もする。
なな:やっぱり、ネットで自分が入れるじゃないですか、どんな人でも。それで行き場がある人っているじゃないですか。でも、本来そういうのが欲しかった人って地上に出てこない人達だと思ってて。本当に言えないから書くみたいに、自分はそうだったんです。でもどんな人でも入れるようになって、それってコワくて。どんな有名人でも繋がれるっていうか。TVのときは一方的だったんですけど、ネットは同じ線というか対等というか、、それは良いっちゃ良いけどあまりにもガツガツくるのは違うって感じていて。女の子クリエーターとか自撮りしてる子はすごい来られてるし、無料で女の子としゃべれたりするのって、便利だけど、イヤだなあって。

サ:そういうのに男が寄ってくるっていうこと?
なな:うん。なんだろう、、全然恋こがれないし、コワいですよね。でも自分も好きにやってたからこんな感じになっちゃって、本当は好き放題やりたいんですけど。でもまあ、みんなの生活とか見れるのはたのしいんですよね。バイトとかしてる子が普段の日常はぜんぜん普通だけど、ネットだけ一瞬よくなるとか、でもそういうのを食いものにする人はいるから、お金払ってくれよとか思う。
サ:ぼくは「自撮り」から現金がうまれないかなって考えて、「自撮り」をデコレーションする作品として、プリントして販売したんですけど、小さい作品は半分収益がいったりとか、ギャラリーに3割収めたりとか。自撮りってアップしたら終わりのところを、もう一回掘り返して作品化して、もう一回透過してそこに僕の絵ものってるし、自撮りも乗っかって色んな所に拡散したら面白いなって。さらに販売して一個の自撮りからお金が生まれたらすごい面白いなって、結局その女の子の応援にもなるし。僕がやりたいのは、リア充な人を上げるっていうより、上手くいってない人を応援したいって事があったんです。

 

– 自分を撮ればいいっていう発想はかなり革命的だと思うんです。最近の傾向として「自撮り」そのものが作品になる部分もあるし。以前までは撮影する人・被写体(モデル)・加工プリントする役、それぞれで分業だったと思うんですけど、SNSの普及でそれが一つの作品に対して一人でおこなえる時代なんだって思うんです。
けれど、それがさらに進むこの先はどうなるんだろう?っていう疑問も同時に浮かぶんですが、どうですか?

サ:多才な人が増えてるっていうのはありますよね。「自撮り」がきっかけで写真加工スキルが上がってる人もいると思うし。僕が「自撮り」に注目してるのは、やっぱカメラマンさんがいないっていう部分で、直接やりとりできるっていう所も面白いと思うんです。
あと「自撮り」ってそのひとが思う最高だという絵をつくるから、カメラマンさんが撮るものとは別物だとおもうんですね。そこにすごい魅力があるなと思ってるんですよ。そういうのに僕は惹かれてるし、自撮りはバキバキに加工してある方が僕はいいと思ってて。自撮りって自分じゃなく虚像だと思ってて、撮った瞬間に過去になっていくみたいに、それをみんな蓄積してるんです。でも、そういう側面に惹かれるんですよね。嘘だから美しいというか、、。

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様々な活動でアート表現を実践してゆく安東和之さん。
安東さんは、ハロウィンでのカルチャーアタックでは「自撮り」もするんですか?
安:自撮りだったり、誰か気になる仮装のひとがいれば、こうやって(手を差し伸ばして、、)たりするんですけど。自分ひとりでっていう人はそんなに見ないですよね。
サ:ハロウィンの話で、「自撮り」って一人遊びできるようになったのかなっていう気がしますね。写真って絶対に「撮って下さい~ 」って人と喋らなきゃいけないっていうのがあったけど、それすらしなくて良くなったっていう… 。それもある種の便利さというか、大変さを豊かさで潰したポイントなのかも知れない。旅行先でも誰かに話しかけて「撮ってもらえますか?」っていうところを一人で完結できちゃうっていう。地図でもすでにGoogleマップとかがある訳だし。

– それらを伺うと、自撮りふくめてやっぱりコミュニケーションの必要ない事態にすすんでいるんですかね?
なな:そうですよね、、。
サ:ある種、文字化というか声より文字の文化になってますよね。
なな:わたし、でもまだガラケーなんですよ。だから分んない事の方が多くて。
サ:え、そうなんだ!?
安:(ななちゃんと) LINEができないんですよ。
なな:LINEできないんです、、笑
サ:ガラケーに拘りを持ったやつって過剰な便利さへのアンチさみたいなのがあるから、、やってたんだけどスマホになった瞬間のカルチャーショックっていうか!天気まで分るの、みたいな!?
なな:わたしまだやってますよ。インスタグラムできませんよ、ガラケー(笑)
サ:そう!アプリとかじゃないしね。

– でも思い返すと、ガラケー全盛時代って自撮りカルチャーってここまで多くなかったかも。
サ:スマホからですよ。
なな:なんでも普通になっちゃうのってイヤですね。自撮りとかもっと妬まれる標的だと思ってたんですけど、こんなに普通じゃんってなるとイヤですよね。どんどん進んで<病みカワイイ>とかですら普通になっちゃって、もう恐ろしいですよ。なんか「病みカワイイじゃねえよ!」って。
サ:ごめん、ちょっとまだ<病みカワイイ> が普通っていう知識が追いついてなくて、、まだわからない感じなんだけど。笑
安:全部かるくなっていきますよね、ファッションぽく。
なな:そういう事が全部ファッションぽくなっていくのは絶対よくないと思っていて、ほんとうに苦しいです。
安:なんか自分が当事者じゃないからかも知れないんですが、僕は全部おもしろいんですよ。こんな時代なんだっていうだけで。とくにコワいとは思わないし、おもしろいなっていうだけです。僕が「自撮り」の好きな所って、みんないろんな理由がある所なんです。昔はひとつだったと思うんです。自分がよく見られたいっていう。でもいまは日記みたいな人もいれば、自分にとっての薬みたいな役目の人もいるし、人にみせなくてもいい人もいるし。「自撮り」ってひとに見せて成立っていう部分もあるとおもうんです。けど以前も大石 (蘭)さんと話した時、ネットに上げるまでが自撮りでしょっ?! て言われて。ああそうかって、今のひとだなあって。

– 撮る事からアップロードの行為もふくめて「自撮り」ということですか?
安:僕は自分で自分のことを撮る行為はまだ恥ずかしいんです。サイトウさんは、「自撮り」をあんまりしないですけど個展では出してるじゃないですか?
サ:ぼくは女装して自分が「自撮り」になるっていう感じですね。
安:恥ずかしくなかったですか?
サ:いやあ、メイクして貰ってたしね。女の子がどういう心理でやってるのかって知りたかったから。あとテクニック、どんだけ苦労してるのかとか。やってみると最強に難しくて。じぶんで良いアングルとか探すんだけど、探せないし。今の子の自撮りのテクって本当に鍛錬されてますよ。

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サ:僕は見せるのは恥ずかしいけど、じぶんで撮るのは楽しいと思う。
安:ぼく自分で撮る方が恥ずかしいな、、。
なな:え、なんでですか!?客観的になっちゃうんですかね?「なんか、みんなみてる…. 」みたいな感じに。
安:ぼく髪を切ったときもオールバックにされて、その時も「自撮り」したんですけど、その自分みても気持ちわるくなって。
サ:なんか自分の顔を好きかどうか問題っていうのも含まれている気がしますね、自撮りの恥ずかしさって。電車のなかで撮る子のメンタルの強さはスゴいなって思うんですよ。周りの視線とか一切関係ないんですよ、ジュース飲むのと一緒で。 電車ですげーメシ喰ってる人とか、化粧とかするひともいるけど… (笑)
安:でも、それって自分の顔が好きだからっていう理由ではない気がしますよね。
サ:まあ、そうかもしれないですね。コンプレックス持ってる人っていうのは、違う自分をつくるという意味もあるのかな。
なな:自撮り」をしてると、全然違う!こんな自分なんだって思うんですよね。どうにでもなれちゃうんですよね。ブスじゃない!まだ大丈夫!みたいに。コンプレックスが満たされるんですよね。現実なんかみたくなくなるしネットの方が楽しくなるじゃないですか。わたしは絵を描いてるし、、でも生身の人間の方が強いと思うんですよね。音楽もライブの方が強いし。
安:昔はインターネットに自分が存在してる人たちっていうのは、「自撮り」とは別におもしろいなと思っていて、ななちゃんも完全にそういう存在だったんですけど、よくそんな風に変りましたよね? ぼくはそういう人って、一生ずっとそういう風なんだろうなと思ってたんです。時代としてそうだし、ずっとネットに存在してゆくんだろうと思ってたんですけど、生身の方がいいなんて、絶対いわない人だと思ってました。
なな:なんでだろう、、。
安:何かきっかけがあったりするんですか?
なな:そうなっちゃったんですよね。つまんなくなっちゃたのかなあ。絵の方が相当がんばってるのに、絵の事おかまいなしなのは悲しくなってきて。こっち(絵)の方がやってるのに虚しいなって。なんか絵の方が観られ方が <サブ>なんですよね。純粋に「色づかいが好き」とか思ってくれるのは嬉しいんですけど、そういうのを狙ってそれを言えば喋れるとかコミュニケーションとりたがる人が多くなって、それがすごい苦しくって。そういうの耐えられなくって、もう疲れちゃって、、。もう絵しかなくなっちゃって…。
サ:僕の場合はむしろその逆のパターンで。山形から上京してきてネットにズブズブといった理由というのは、今までは生身の「ライブだ!」って感じだったのが、東京に来てから女の子を描くようになってからは、人を観る量が1000倍くらい変って、、女の子ばっかり目にいく自分がいて。ファッションとかメイクとかが違うんですよ、東京の女の子って。
安:へええー
なな:なんか、それ女の子みたいな発言ですよね (笑)
サ: うそっ !? (笑) でもそういう事じゃなくて、東京の表層であり虚像に惹かれちゃったんです。そのうち、アイドルの子が自撮りアップしてるのを見るようになったんです・・・・

 

<  後編 へつづく >

 


= Talk Member Profile =

安東和之
1978年7月17日生 大分県出身 東京在住
バンタンデザイン研究所ポップアート専攻卒
日本の文化、外国の文化、若者の文化、男の文化、女の文化、個人の文化 様々な文化に興味があります。
主な活動/スーパーハンコアート・指サック似顔絵・自撮りおじさん・ボードゲームを作るクリエイター集団「and.O」元代表
http://andokazuyuki.jimdo.com/

 

サイトウケイスケ
絵を主軸とし、音と言葉に影響を受けながら、「表裏」「善悪」などの対極性や、「人と人の間」のどうしようもなさを表現するために制作を続ける。また、絵を描くことは、バンドでエレキギターを弾くことと同等と考える。ミュージシャン等との交流、フライヤー・CDジャケットの制作等もおこなう。上京後「原宿・渋谷・秋葉原」が好きになり、「アイドル」と「自撮り」に心を奪われる。その他イラストレーション、ライブペイントの活動など。
http://keisukesaitoillustra.wix.com/keisukesaito

合同展示会「Hi-Fi展」に出品中!
期間: 12月12日~12月31日(予定)
時間:12時〜20時(入場無料)
会場: 東京都渋谷区円山町10-18
galaxxxy in Hi-Fi店
galaxxxy.jugem.jp/?eid=28684

1/20発売 あっこゴリラ1stアルバム「TOKYO BANANA」ジャケットデザイン担当!
http://akkogorilla.wix.com/home#!tokyo-banana/abbp8

さいあくななちゃん :画家
毎日制作する傍ら、さまざまなアーティストのグッズ、CDジャケットアートワーク、舞台装飾なども手掛ける。
毎週やっていたラジオを一か月半で挫折してしまった。つらい。来年復帰してまたラジオをやりたい。沢山自分 の思う面白いことをして芸術界のロックンローラーになりたいと思っています。
http://huwahuwadorori.web.fc2.com/
http://saiakunana.tumblr.com/

2016年 個展決定!
さいあくななちゃん個展「ロックンロールスター」日本三か所ツアー
東京ツアー 中野FREAK OUT 2016年2月25日~28日
関西ツアー 京都cumono gallery 2016.3.12~14 12日12:00-19:00 13日12:00-17:30(17:30からイベント予定)14日12:00-16:00
甲信越ツアー 山梨 hair room aoi &nid 2016.3.19~27 9:00~19:30 27日はクロージングパーティー予定!

 


 

進行/構成 :平野 倫(アパートメント)

 

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