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TALK ROOM 第2回 「進化する自撮りとSNS、そのつながり 2/2」

2016年1月20日 - TALK ROOM / 連載

TALK ROOM <第2回>  安東和之 × サイトウケイスケ × さいあくななちゃん 「進化する自撮りとSNS、そのつながり 」後編


「自撮り」カルチャーをテーマにアーティスト活動をおこなう三人でトーク。 安東和之さん (以下表記 :),  サイトウケイスケさん (以下表記:), さいあくななちゃん (以下表記:なな) に話してもらった前編は、次第にSNSやネットの進化について、スマホとコミュニケーションのことなど、止めどない愉快な脱線をしながら三人だけの独特な空気のなか、後編へむかいます・・


前篇からのつづき

(前編はこちら > TALK ROOM -1 )

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左から) 安東和之さん、さいあくななちゃん、サイトウケイスケさん。

:東京に出てきて気づいたのは、モデルやアイドルの女の子達がけっこう自撮りをアップしてるんですよね。最初は『ウインクキラー』という写真集・プロジェクトで自撮りに触れて、そのモデルさんの自撮りをファボったら、僕の絵をファボってくれたりして。。山形からでてきた30過ぎの男からしたら、衝撃ですよ!
:衝撃ってどういうことですか?
:「ファボってくれるんだっ!!」みたいな事が、引き金になって。例えば女の子に自分の絵もアプローチできるんじゃないかっていうのがあって。それがなかったら今のような活動の方向にいってないかもしれないですね。「自撮り」で関わりたいというのもあるし、コラボレーションしたいっていう欲というか、絵でもその人達と仕事がしたいですよね。「自撮り」っていう画像を通じて可能だったのがそういう事というか、デコレーションすることでコラボが出来たというか。
:「自撮り」と関わりたいっていうより、その人自身と関わりたいっていう感じなんですか?
:その人自身とでもあるけど、たぶん自撮りに絵を埋め込みたいなっていう気持ちはありますね。
:なるほど。
:いま「自撮り」でコラボをする作品をつくっていて、自撮りに絵を添えていくんです。それをプリントしてさらにペインティングしてゆくっていう作品をつくっていて。複製なんだけど、部分的には一点モノでっていうものなんです。それをこんど渋谷西武の画廊の「SHIBUYAスタイル」で発表する予定です。
:へえ~!いいですねえ。
:ぼくがこれを見せていくとモデルさんを広める事にもなるし、僕の絵も広まるし。それは自撮り画像を買ってるのか、絵を買ってるのかが判らない状態をつくるというか。

 – その「自撮り」っていう写真か絵画かっていう線引きって、スゴく曖昧になってきてる部分だとおもいますか?
:はい。ぼくは「自撮り」っていうのもある種、ピクセルでできた絵だと思ってるんです。あとは、Tシャツをつくって着てもらうっていう事で「自撮り」に侵入するとか。

 – そうなると撮る場合の性別はあんまり関係なくなってきますか?
:うん。だから最近、韓国の男のひとの自撮りが女の子みたいで、かわいいと思って「イイネ」したら男性だったりとか、結構ありますよね。
:でも「自撮り」するの、女子の方が多いですよね。
なな:なんか、男の「自撮り」ってイライラしません!? 。
:あ、その話おもしろい! たぶん異性と同性で感覚ちがうんだろうなって思う。
なな:すいません、、でも安東さんの(自撮り)はいいんですよ。なんか安東さんのヤツはあんまりカッコ良くみせてないっていうか。ただそれをやりたいからっていうだけなんで、好きなんです。わたし男じゃないからわかんないけど、もっと男性にはモサいものでいて欲しくて、、。なんかもっと情けなくていて欲しいんですよね。
:情けなく??
なな:なんかイライラするんですよ、、。わかりません?!
:わかんないです、、格好よくみせてるのがイライラします?(笑)
なな:男の子の「自撮り」とかみてると、どうせこいつモテんだろとか、どうせいっぱい女子と喋れんだろ、、とか思っちゃうんですよ。なんか嫌いなんですよ、そういうモテる人って。妬んじゃう (笑)。
:なんかまあ、わかるけど。

 – そういう気持ちって、女の子に対しては思わない?
なな:思わないです。女の子の(自撮り)は好きなんです、自分の好きなことやってるから。あ、でもゆっきゅんとかは好きかな、、、。
:ぼく「自撮りおじさん」でたまに検索するんですけど、たしかに色々ヒットするんですよね。
:あ、いますか?!
:いっぱいいますよ。なんか、実はぼくも「自撮り」で検索して画像がでて「はあっ?」てなること多くて。ぼくもモテる人って嫌いなんで。「どうせモテるんだろ!?」みたいに思うんで、、笑。
なな:そう!ははっ 笑
:やっぱりぼくが好きなのって「切実」なところが魅力的に思っていて。
:それはぼくもそうです。
:男の「自撮り」はそうじゃない人が多いんだと思うんです。
なな:うんうん。そういう部分が「自撮り」ではすぐに透けちゃう。
:「カッコいいだろう?」「そうだね。」みたいな会話の感じかなあって、、。そういうのが透けちゃって見えるのが、良いと思う人もいるんだろうなって。でもぼくはそういう事が一番恥ずかしいから、できないんですけど。
:男が <カッコいい>っていわれることと、女の子が<カワイイ>っていわれることって、似てるけど違うんだろうなあって思った。
:だってカワイイは、自分に言われても嬉しいもんね。
:自分は男なんだけど女性的な面があると思っていて、たぶん自分もカワイイっていわれると嬉しいなあって。でもななちゃんは男性っていうのは、もっとモサくてぼさぼさしてる方がいいの?
なな:高校生の時って自分ってほんとに報われなくて、、学校とかカースト制度が分りやすいじゃないですか?!  そこで一番うえの位置のヤツが色々やってることが多いじゃないですか?!
:それは同感。スクールカーストっていう言葉は当時なかったけど、自分もクラスのなかで上手くやってる人達っていうのからは離れたところにいて。ベランダでひとりご飯たべて、ニルヴァーナ聴くみたいな感じ、、笑。
:ああ、いましたねそういうひと  笑。
なな:安東さんはどこのタイプでしたか?
:ぼくは例えばそういうヒエラルキーがあるとして、上がうまくやってて、下がそうでない人だったら、真ん中にいました。ぼくの人生いつもそうなんですよ。
なな:ええ、そうなんですか?
:そう自分では思ってますけど。だからそのせいか、友達がいないんですよ。
なな:みんなと仲良くしちゃってるっていうパターン?
:ぼくも似てますけど、どのグループにもいけるっていうか、どちらにでもいけるっていうパターンですよね?
:すっごい仲の良いトコロみたいなのがなくって、なんかそこそこみたいな感じで。だからか、高校の修学旅行でディズニーランドいったんですけど、ぼく一人だったんですよ 笑。
:えっ!?
なな:ええ!?
:修学旅行なんで本当に仲良い者同士でいくじゃないですか。そこでぼくはついていこうと思っていたグループに「じゃあな」っていわれたんですよ。だから暫く入口で座ってて、「そうかあ、そうなるか~、、」とか思いながら 笑。
なな:それって(ヒエラルキーの)ピラミッドの中間なんですか?
:あれ、、下? ひょっとしたら、ピラミッドのどこにも居なかったってことかな。 ピラミッドから外れて外から見てたのかも、 確かに中間じゃないかも 笑。
:でもスクールカーストていう言葉は好きじゃないけれど、そういう上手くいってない人達の自撮りの強さっていうのはありますよね。そこにしか居場所がないんだっていう感じとか、好きですよ。
なな:うん、あるある。

:「自撮り」のおもしろいところって何やっても成立するっていうか。本当に美しいひとは美しいし、コンプレックスがあっても撮り方次第でいい絵が出来るし、なにやっても成立するんだと思う。さっきみたいに絵をのせても成立するし。これからもうちょっとバリエーション増えてくる気はする。「自撮り」っていうモノのその先の作品化っていう。アプリも変化してくるだろうし、動画的になってくる気もするし。「 Vine」だっけ?そういうのとか。そういうところで自撮りの動画化が始ってるのかも。
:(これから)そういうものが主流になっていくっていう考えですか?
:もしかしたらかなあ、、。

 

:ふと思ったけど、、すごいカワイイ人でも「自撮り」の時はけっこう苦労してるんじゃないかなって思った。あれは (撮影と加工の)「技」だから、鍛錬が必要だから。
:ぼくは、(自撮りを)撮ってるところを見るのも好きです。
:うん、ぼくもです。
:自撮り慣れてる人って技だからか、感じたのは剣の達人が構えたときみたいな感じがしたんです。決まってるんですよ構えが。マコ(プリンシパル)ちゃんをみた時に、「うおっ、こいつできる!」みたいな感じで、構えただけでわかる! ていう 笑。
:あは、スカウター壊れる!みたいな感じですか 笑
:スゴいですよね、そのピタっとくる感じが「技」っていうかんじがします。磨けば上達するんだなって。
:そうですね。でも「自撮り」ってプリントしないですよね、そういえば。なにかの話で家族写真がない人っていっぱいいるんじゃないかってなって。昔は想い出のアルバムとかが紙媒体であったけど、今はデータ化されてて、家族アルバムがない世代ってけっこういるのかなって。さっき生身っていう話もあったけど、紙っていうのもちょっと似てるところがあって、これからもっと物質からどんどん離れていくのかなと思う。TVもなくなってネットだけとか、、ネットだけじゃないにしろ通信ももっと変ってくる気がするし。攻殻機動隊みたいかもしれないけど、いつかもっと変っちゃう気がする。
なな:恐ろしいです、コワい。
:恐ろしいですよ、思った事がわかっちゃうみたいなのとか。
なな:それいつも思ってるんです。漫画のフキダシみたいな言葉がみんな見えちゃうようになったら、コワいですよね。
:うん。それが今は、スマホとかである種すこし見えてる状態なんだろうね。
なな:ほんとコワいです。もっと妄想して考えようよって、マジメかって思われるけど、、。
:想像力ってことだよね?!
なな:そう。

 

:でもデジタルネイティブっていわれる世代って、かなり感受性も違うと思うし。だっていま赤ちゃんもスマホであやす時代だし。それを否定する気はなくて、逆に今の時代ってインターネットないと孤立するんじゃないかって思ってて。僕の妄想はそんななかインターネットとかSNSが崩壊したら、どうなるんだろうって。
:うわ、おもしろそう。
:大人の人とかはLINEとかを否定したりする側面があるけど、今の子どもたちはそれが普通だし、それが基盤になってまた新しいものが出来てくるんだろうなあって。僕らとかもついていけなくなるかもなあって。
:どうなんでしょうね、、? ぼくも中学校の頃とかからそう思ってましたし、今ついていけてるかは分らないけど、おもしろがって色々やれてはいるかなあって。それが幾つになったらついていけなくなるのかとかって。
:今って、インスタとかツイッターで情報得たり、若いひと達とコミュニケーションするから空気がわかるけど、それをしない人は断絶してるかもしれない。ネット上にでてくる言葉もそこから蒐集してるから、<お茶の間>だけしかみてない人はついていけなくなっちゃうのかなあって。
なな:恐ろしい。恐ろしいしか言えない、、みんな一人ぼっちになっちゃうと思います。

 

 –  そうなると「自撮り」っていうのは、ひとりぼっちになった時の最後の手段でもあるんでしょうか?
:ぼく個展をやってみてそのときの結論が「結局、人間はつながれない。」っていう事で…
:ああ、面白いですねえ。
なな:ええ、なんでですか?!
:だから「自撮り」でいくら自分がイイネしたり、デコレーションしようが、直接会って話をしようが、「つながり」ってそもそも曖昧なもので、本当に人間って独りぼっちなんだなって思って。だからこそ繋がりたいってずっと思うんだなっていうのがその結論で。
なな:それは意思疎通しなかったって事ですか?
:意思疎通はできるけど、繋がるっていうのは物理的に不可能なんだな、みたいなこと。それは悪い意味ではなくて。「繫がれないから繫がりたい」という当たり前のことなんだけど、それが独りぼっちになるということで。
:ある意味でそうだっていうことですよね。
:ぼくはやっぱりつながりたい欲がすごいあって。そういうのない?
なな:んん、、あんまりない、わかんないですね。
:たぶん自分はめちゃくちゃある。
:それは感じます。
:やっぱり独りぼっちだし、一方でそうでないと思いたいから、喋ったりコミニュケーションするのかなあって。それがネットによってやりやすくなってるところはあって、それが僕の場合ズブズブに身を投げだしてるかなあ。
:ぼくは、サイトウさんをおもしろいなって思うのは、考えてる途中のような雰囲気で話す感じなんです。つぎに会う時には違うことを言ってくるような気もするし、(その過程を)積極的喋ってくれるのがいいなあって。
:ああ、そうですね。あんまり結論がないんですよね。
「自撮り」っていうのも一つの「窓」のような感じがしていて、そこからなにか繋がっていくように機能してる気がするんですよ。誰しもが広告をだせてるようなビジュアルというか、そこにイイネしたり、繋がろうとしたり。繋がろうとする人には良い人も悪いひともいるだろうけど、女の子なんかそこでうまく防御したりして、いい出会いに繋がっていくのはおもしろいと思うんです。

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サイトウケイスケさんが持参してくれた「自撮り」に関するメモ。

 

:本当は、「自撮り」の危険性の話もちょっとしたかったんです。ネットの怖さとか。コピペとか、2ちゃんにあげられたりとか、、なにかの事件のときにSNSからTV局がスティール (*盗む・奪う) するっていうか、TVで自撮りがよくでるじゃないですか?!それってヤバくないですか? なんでって!?そういう風に簡単になりえちゃう日々っていうか。
:なるほど、、。ぼくはその意識の低さみたいなことが、おもしろいなって。危ないって分っていないみたいなところが、オモシロいっていうか。ぼくがよく言ってるのが「ローカルな意識でグローバルな事をしてる」っていう、友達にみてもらおうみたいな意識で、世界に発信してるっていう感じがおもしろいかなって。
:確かに。「自撮り」って勇気がいるとおもうし、顔を晒すっていうことだから、それを乗りこえてやってるからあまり抵抗ないのかな、みんな? 「リア友にバレたくない」とかってあるだろうし、、。
なな:(リア友) バレたくないー。全部ブロックしますよ。
:あの、、「リア友」ってなんですか??
なな:たとえば前に同級生だったとか、、。
:そっか、いまの「さいあくなな」を知らない人か。
なな:そう。全部ブロックします!「ムリ」って意思表示したほうがいいとおもって。
:別にブロックされた人は、何かをした訳じゃないんですよね?
なな:別に攻撃的な感じじゃないですけど、高校とかでいい位置でいたひとがまた同じ位置でやってくるから、、悔しいんですよ。
:ああ、そうですね。
:いま中高生もいっぱい「自撮り」をあげてて、デコらせてもらってる人達の中でもイイネを交換しながら、コミュニケーションとってお願いしてるんです。でもそういう事のリテラシーっていうか、もうちょっと学校でもやってほしいよね。
なな:学校?
:学校とかでインターネットの中でそういうのにも、気をつけろよって。
:いま、ありそうですけどね。やってそうですし。
:そうですね。 最近はスクリーンショット撮られただけで人生がおわるっていうか、、恐ろしいのが LINEのやりとりのスクショとかの拡散で。アイドルの不祥事とかも即刻保存されて拡散されちゃうとか恐ろしいですよ。
なな:わたしはやる側です。
:ええ!
なな:自分に害を加えてきたヤツのを、スクリーンショットをやる側。
: あはっ!! 笑
なな:証拠として。いつか絶対にこいつら材料にするって 笑!
:怖いですね~ 、コワかったですね。今日の話…. 笑。

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この日の”雑談おやつ”は安東さんおススメの「ポテトチップス しあわせバタ〜」でした。

 

 

  – 自分なりの「自撮り」とはどういう事かを聞いていいですか?

なな:わたしは前は自分がこうしたいっていう事を、スグにできる可能性だしどんな人にも与えてくれる魔法的なものだからいいなあって思っていて。けど、最近はやめちゃって、今は可愛くなりたいっていう女の子を応援したい側にまわりました。わたしは自分の絵をがんばりたいなって思ってます。

:「自撮り」は、カッコよくいうと時代を表す鏡っていうか。本当にいまの空気を保存できるものだから、いまを表してる「作品」であり「素材」っていうか。
:「素材」ですか?
:ぼくにとっては「素材」としてもみれて、ネットが普及すればする程、自撮りのネットワークも増えてゆくので僕はそこへ侵入しようとしてるんですよ。とりあえず続く限りは僕も介入してゆきたいっていうか、「自撮り」の画像のなかはTシャツ着てもらうとか、(自分の)作品が背景にあるとかできるし、自撮り画像のうえのレイヤーでは絵を載せてゆくっていう事も可能だから、ぼくはそういう事でどんどんコラボレーションしたいなあって思って。まさに非リア充の人達を応援したいっていうか、もちろんリア充の人とも一緒にやりたいけど、、、なんかリア充な人っていう言い方へんだなあ。すでに勝ってるひと?! 有名な人?! そういう人ともやっていきたいし。ダサい言葉だけど Win-Win になればいいなって。

 – サイトウさんにひとつ質問なんですが、「自撮り」は衝動的でスピーディな行為だと思うんですが、今の作品に臨む気持ちは「自撮り」が流行る以前からもあったんですか?
:ああ、、スピード性は「自撮り」に勝るものはないかもしれないなあ、、。写真撮ってネットに上げるとかもあるけど、自分が入っていくってなかなか無かった事だから。
– 「自撮り」っていう手段がでてきたからこそのものですか?
:そうだと思います。衝動的な部分もあるし計算的にやることも出来るし、スピード性もあれば、すごい構成していくっていう方法もあるから、両方の側面があるし、可能性があるおもしろい<メディア>だと思うんです。だからガンガン撮ってくださいって、それで是非デコらせてください!って感じですよ。
なな:もう入りたいっていうか、介入したいっていうのがすごい伝わってきますよw
:でも、ぼくはそこに入らなくてもいいんです。やっぱり絵なんです、絵を載せていきたいんですよ。
:「自撮り」の事を「素材」っていったり「メディア」っていってるところが、サイトウさんぽい視線だなあって。だって「自撮りがメディア」ってどういう事ですか??
:媒体ってことなんです。画像はやっぱり何かをつたえるための媒体なんですよね。

 

 – いままでの話の中で「自撮り」は、例えばいままででいう「名刺」のようなのかなって思ったんです。そこに写された姿や顔は<記号>にすぎなくて、デコるにしても、装飾してゆくにしても、昔からの紙媒体の記号である活字でもやっていたことで、それが「自撮り」となって一歩次元が進化したのかなという印象を受けたんです。
:そうかも知れないですね、、たしかに。「名刺」とちょっと似ているかも。ただ名刺の場合は相手に向けて手で渡すんですけど、それが全世界にむけてデジタル化されたっていうことですかね。
– そうなんですね。名刺っていうツールはある程度時間も必要で、相手との直接のコミュニケーションも必要になると思うんです。そこがいまの話の流れで、次第にそういうことが省かれていった先に自然と生まれてきた形なのかなと思ったんです。それすらもまだ発達途中なのかも知れないですね。
:できそうですよね。想像もできないけど、20年後とか「自撮り」っていうメディアってもう無いと思うんですよ。だから今しか「自撮り」には介入できないんじゃないかなって。10年後に自撮りしてる人いないんじゃないかな、、笑。
– 「みんな一緒になっていくのでは・・」っていう話でも、個人の差異というのが薄まってくる時代がくるかもしれないですよね?
:はい。便利さと逆光するっていう事も想像するけど、、なんかみんな自画像を描きだすとかってのも面白いかも知れない、、。
:今日の自画像みたいな感じですか? 笑
なな:あはは! ちょっとおもしろい 笑!
:でも加速すればするほど、逆光するパターンってあるから、急にレトロなものに戻る反動っていうか。超アナログ的なものに戻ってる可能性もあるなあって。なんかそういった懐古的になったら面白いですけどね。

– なるほど、じゃあ安東さんにまとめをお願いできたら・・・

:ああ、今日はたのしかったです。笑
ぼくがオモシロいって思う事って、ぼくの発想になかったり、想像つかなかったりそれを超えてくるものなんです。だから「自撮り」はそういうものです。今一番魅力を感じるのは、さっき言ったように「切実さ」っていうか、やらなきゃいけない、やる理由があるっていうものなんです。だからこの先みんなやってるのかはわからないですけど「自撮りおじさん」はずっとやっていこうかなって思ってます。無くなるっていうなら逆に、10〜20年後とかもしぶとくやっていこうかなって、、笑。
:ほんとですか!?笑
:なくなるんなら逆にやっておこうっていうか。まあ、それが理由ではないんですけど「自撮り」って人によって色々とやる理由もちがうと思いますし、名刺のようなときもあれば、お薬みたいなひともいるし、、それがおもしろいなって思います。
:そうですね。まだまだぜんぜん話したりないですけどね。笑
:いままで「自撮り」について色々と話されたとは思うんですよ。でも僕が知りたかったのって、なんでそう思ったかというか。話が脱線した時のへえ~っていう感じなんです。
:それ名言ですね。この話ってこの三人の今からしか生まれないんですもんね。
なな:うん。
:ななちゃんが最初にいった、「わたしは終わらないし」っていうのが一番のパンチラインかなって思った。
なな:あ、ありがとうございます。
:序盤で結論でた、、みたいな 笑。でも自分もおわらないなって思うもん。33歳になって挫折的な経験も色々あるけど、それでも作りたいってっていう欲望ですよね、人に観てもらいたいっていう。
:ななちゃんっていま何歳?
なな:23歳です。
:10歳ちがうんだね?!
:基本的にぼくは歳を感じることって嬉しいなって思うんです。あ、生きてるんだなって感じるから。
:そうですね、、歳とるのって楽しいですよね。もう歳だあとかって絶対言いたくないなって。
:それ本当ですね。「じゃあ、死ねよ」っておもいますもん。
:え、なんで!?  笑
:だって、死んだら止まるから。だってしかたなくないですか?
なな:あっははw
:最近になって個展に中高生とかの若い人がきてくれて、今まで気づかなかったんだなって思ったんです。それまでギャラリーの人とか批評家の人とかに観てもらいたいってあったけど、そっちじゃないんだなって。もはやそういう人たちに理解されない方がいいって思って。だから原宿の女の子たちに良いって言われる方がいいなって。ななちゃんはどう?
なな:なんか、わかんない。作っちゃったから、出来たから、観てくれたらラッキーだなくらいでやってたけど、最近すごい気に入ってくれる人がでてきたのは嬉しいですね。ほんとうに心から好きになってくれる人もでてきて、これは頑張らなきゃなって思わされたりもするから。そういう事を気づかされたりして人間って面白いかもって思います。
:へえー。
:なんか絵が救ってくれる瞬間はあるよね?!
なな:あるある。あたしの場合はなんか作ってるだけで良くて、だからひとに観られたいっていう概念はあんまりなくて、、だけど自然とこうなってるのって幸せ者だなって。いまはスゴい観てくれたり、身を削って観てくれてるひともいるから、頑張ろうって思えたりすることもあって良かったなって。
:楽しみだね。来年は原宿で個展もしたいけど、なんかグループ展したいよね。
なな:ぜひぜひ。
:それは「自撮り」とか関係なくですか?
:うん、とくに自撮りっていうことではないですね。
なな:(安東さん) ハンコの人だからな、ほんとうは、、笑。
:まあ、「どれの人」っていう訳じゃないつもりではあるんですけど、、。
なな:そういうの決められるとイラっとくる感じしますか?
:むかしは「違うよ」って細かく言ってたんですけど、、「自撮りおじさんですか?」「いえ違います、安東です。」みたいに。いまは分りやすく思ってくれればいいやって感じになったんです。
なな:はあー、変るんですね、そういうのって。
:いちいち否定するのに飽きたっていうか、疲れたんですね。多分こっちの方が面倒くさいことを言ってる訳だし。紹介する説明として分りやすいから我慢しようかなっていうか。
なな:我慢してるんだ、、?
:がっつり紹介される時は、他にも色々な活動をしていて、、肩書きとかないですみたいな説明をして。難しいですよね、みんな「何かの某さん~」って言いたがるから。
なな:そうですよね。「ただの安東です」って感じですもんね。笑
:職業は安東和之をやってます、、みたいな。だからこそ違う名前つけとけばよかったっていうか。
なな:なるほど。
:自撮りが有名で「 ~〜ちゃんですよね!」ってありますけど、それもスゴいと思う。インターネット上の「~~ちゃん」っていう名前のひとにすごい注目してて。絶望ちゃんとか。自撮りが可愛いっていうことで、存在としてみんな気になるっていうのとか。それができる時代になってるんですよね。そんな時代はいままでなかった気がする。
なな:なんかいいですよね、それ。「イヤイヤだめでしょう」みたいのじゃなくて、「やりたい!」みたいなのがサイトウさんからでて。なんか明るい感じがする!
:ええ、なんなのそれ?!笑
うまくいかなかったたちだったし、ネットなんてなかった時代だったから展示するしか世界が繋がる方法がないというか。それに比べたらいまは羨ましいと思う。自分の時代にネットがあったらガンガン絵をアップしてただろうなって思う。
:サイトウさんの同い年くらいの人達って、皆なにしてるんですか?スノボとかしてるんですか?
:なんで?!  雪国だから? でもやっぱり33歳だとみんな「家庭」もあるし、あとは「子供」ですよね。大概インターネットに繋がるコミュニティとは違うコミュニティに属してますよね。ぼくはツイッターとかやってなかったら、ななちゃんとも知り合ってなかったから。
なな:そうかあー。
:そういう意味でインターネットって、もちろんコワさもありますけど、 やっぱり色んな人とつながる可能性はあるんだと思います。
(了)


– 当初「自撮り」をテーマに雑談で話して貰った今回の三人のトークは、色々な話に脱線しながらも、インターネットそのものの進化や、SNSの可能性にまで及び、三人の化学反応をおこした会話となっていてとても興味深い話になりました。  予定時間をかなりオーバーしてのセッションでしたが、まだまだ語り足りない部分もあったようなので、また機会あればぜひお願いしたいと思います。 皆様どうもありがとうございました! (h)  –

( 2015.11 アパートメント編集部にて )

 


= Talk Member Profile =

安東和之 :
1978年7月17日生 大分県出身 東京在住
バンタンデザイン研究所ポップアート専攻卒
日本の文化、外国の文化、若者の文化、男の文化、女の文化、個人の文化 様々な文化に興味があります。
主な活動/スーパーハンコアート・指サック似顔絵・自撮りおじさん・ボードゲームを作るクリエイター集団「and.O」元代表
http://andokazuyuki.jimdo.com/

 

サイトウケイスケ
絵を主軸とし、音と言葉に影響を受けながら、「表裏」「善悪」などの対極性や、「人と人の間」のどうしようもなさを表現するために制作を続ける。また、絵 を描くことは、バンドでエレキギターを弾くことと同等と考える。ミュージシャン等との交流、フライヤー・CDジャケットの制作等もおこなう。上京後「原 宿・渋谷・秋葉原」が好きになり、「アイドル」と「自撮り」に心を奪われる。その他イラストレーション、ライブペイントの活動など。
http://keisukesaitoillustra.wix.com/keisukesaito

1/20発売 あっこゴリラ1stアルバム「TOKYO BANANA」
ジャケットデザイン担当!

http://akkogorilla.wix.com/home#!tokyo-banana/abbp8

さいあくななちゃん :画家
毎日制作する傍ら、さまざまなアーティストのグッズ、CDジャケットアートワーク、舞台装飾なども手掛ける。
毎週やっていたラジオを一か月半で挫折してしまった。つらい。来年復帰してまたラジオをやりたい。沢山自分 の思う面白いことをして芸術界のロックンローラーになりたいと思っています。
http://huwahuwadorori.web.fc2.com/
http://saiakunana.tumblr.com/

2016年 個展決定!
さいあくななちゃん個展「ロックンロールスター」日本三か所ツアー
東京ツアー 中野FREAK OUT 2016年2月25日~28日
関西ツアー 京都cumono gallery 2016.3.12~14 12日12:00-19:00 13日12:00-17:30(17:30からイベント予定)14日12:00-16:00
甲信越ツアー 山梨 hair room aoi &nid 2016.3.19~27 9:00~19:30 27日はクロージングパーティー予定!

 


 

進行/構成 :平野 倫(アパートメント)

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