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瀬戸内国際芸術祭2016 「大岩島2」インタビュー

2016年4月12日 - TOPICS

PICK UP ARTIST INTERVIEW
大岩オスカール氏「大岩島2」

*瀬戸内国際芸術祭2016・小豆島 土庄本町

瀬戸内海の島々を舞台にアート・文化・食など多ジャンルのつながりと発信を巡るイベント「瀬戸内国際芸術祭 2016」が始まっている。

その舞台のひとつとなる小豆島では、直径12mのエアドームのなかに架空の島の風景を描いたという世界最大のドローイング・インスタレーション作品「大岩島2」が展示されている。
「大岩島2」はNYを拠点に活動する画家・美術家である大岩オスカール氏による出展作品だが、2013年の瀬戸内国際芸術祭のために伊吹島で制作・展示され、今回新たな部分を描き加えて小豆島、土庄本町の旧醤油倉庫で展示となる。
今回はその作品制作にまつわるエピソードと開催中の瀬戸内国際芸術祭2016の事などについて、大岩オスカール氏へのメールインタビューです。

 

Oscar_Oiwa 大岩オスカール | PROFILE

ブラジル出身の画家、現代美術家。
サンパウロ大学建築学部卒業。アーティスト・グループ『昭和40年会』のメンバー。2002年以降は現在にいたるまでニューヨークを活動の拠点として、自己のアイデンティティと土地、都市や環境との関係性を鑑み、独特の視点から描いている。( Wikipedia)   Official web > http://www.oscaroiwastudio.com/


< 出展作品「大岩島2」について >

− (編)今作品を制作するきっかけ(となった経験、作品)はなんですか。また、これまでの自身の作品との違いなどがあれば教えてください。

(大岩)瀬戸内国際芸術祭への参加は今年で3回目になります。2010年に男木島で使われなくなった島の公民館を改装して「大岩島」を制作しました。僕はブラジルで日本人の両親の元に生まれ育ち、20代後半から約10年、日本に住んでいました。日本に住み始めた頃、日本の文化を理解するために古い白黒映画をたくさん見ました。その中で瀬戸内が舞台の「二十四の瞳」と「裸の島」の美しい島の自然と厳しい島の生活、人間愛を描いた物語が印象的だったので、その記憶から白黒の大きなドローイングを描こうと思いました。
公民館の壁と床にビニールシートを張り、黒の油性ペンだけで、 架空の島の風景画を描きました。島の中に島を作るというアイデアから「大岩島」と名付けました。残念ながら「大岩島」は会期中に隣家からの火事で全焼してしまいました。

「大岩島」の火災はとてもショックでしたが、瀬戸内国際芸術祭2013に参加する機会を得て、前作に負けないものをつくろうと思いました。 みんなをびっくりさせたいし、想像をふくらませてほしいと思い、360度パノラマを見られるように作品をドーム型にすることにしました。エアドームは空気を抜けば移動できて、また別の島のなかに島をつくれます。直径約12mのドームを製作してもらい伊吹島で「大岩島2」を制作、展示しました。「大岩島」と同様に、直接油性ペンで描いたのですが、とても大きいため4、5人のアシスタントと毎日朝から晩まで、約1週間かかって、150本の油性ペンを使って描き上げました。

今回の小豆島での展示の前に空の部分を新たに描き加え、さらに迫力ある作品になっています。
僕は普段、一人で油絵を描いていますが、このような大規模な作品は多くの人の協力なしにはできません。「大岩島2」は僕が今までつくった最大の作品で、おそらく世界一大きい油性ペンによるドローイングだと思います。

 

 

(Youtube / Inside the World’s largest drawing )

 

<瀬戸内国際芸術祭 について>

− (編)瀬戸内国際芸術祭 2016への出展に際し、思うことやアピールする事などはありますか。

(大岩)「大岩島2」の他に男木島で新作インスタレーション「部屋の中の部屋」を展示しています。男木島には空き家がたくさんあって、その一つを使って何か面白いことができないかと思ってつくった作品です。ごく普通の民家の一室を90度回転したような内装にし、壁が天井に、床が壁のようになっており、部屋の奥に新作の襖絵が縦に4枚並べて展示されています。(実施設計は高松市の建築家、林幸稔氏。この作品は芸術祭終了後も保存、公開される予定です。)

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– (編)他の出展作品で興味のあるもの、または展示会場となる瀬戸内海の島々で気になる場所などはありますか。

(大岩)芸術祭が始まる前に制作、展示をしてすぐにニューヨークに帰ってきたので、他の作家の作品はほとんど見ていません。

男木島には何度も作品を展示していて、地元の方にもとても親切にしてもらい自分の第3の故郷のようなところです。最近、島に移住した人が図書館やレストランなどを始めていて面白いと思います。芸術祭をきっかけに休校していた島の小中学校が再開したのも嬉しいです。

前回2013年には伊吹島に滞在して制作し、こちらでも島の方々にとてもお世話になりました。今自分が住んでいるところと違って、ゆっくりと時間が流れ、美しい朝日や夕日、そして夜はとても静かで真っ暗なのが印象的でした。

 

<今後の活動>

 – (編)現在はNYをメインにした制作活動ですが、今後の活動の展望についておしえてください。

(大岩)4月28日から 5月22日まで、東京・代官山のアートフロントギャラリーで個展をします。こちらはペインティングの展覧会で、瀬戸内の海をイメージした作品や男木島の集落を描いた作品も展示されます。
展覧会の初日、4月28日には、オープニングと講演会がありますのでお立ち寄りください。

また、2007年から最近作までを網羅した作品集『 天地創造 』が求龍堂より4月末に発行されます。そこからまた何か新しいことが始められるようにしたいと思っています。

– (編)これから画家・アーティストをめざす若い方への助言があれば一言お願いします。

(大岩)プロのアーティストになりたければ、自分のアイデアとテクニックを成長させるために一生懸命働くしかありません。 早起きして仕事に集中して、まじめに少なくとも週40時間は働いて、勉強(外国語、コンピューター技術、ビジネス)をする習慣を持つこと。アーティストは他の職業と同じです。

以上


出展作品と芸術祭についてお応え戴きました。
どうもありがとうございます。 (h)

*大岩オスカール氏の作品「大岩島2」(小豆島)、「部屋の中の部屋」(男木島)とも 瀬戸内国際芸術祭- 春・夏・秋 の全会期でご覧いただけます。

 


 

瀬戸内国際芸術祭2016

会期:
春|2016年3月20日[日・春分の日]—4月17日[日]29日間
夏|2016年7月18日[月・海の日]—9月4日[日]49日間
秋|2016年10月8日[土]—11月6日[日]30日間

会場:
直島 / 豊島 / 女木島 / 男木島 / 小豆島 / 大島 / 犬島 / 沙弥島[春のみ] / 本島[秋のみ] / 高見島[秋のみ] / 粟島[秋のみ] / 伊吹島[秋のみ] / 高松港・宇野港周辺

主催|瀬戸内国際芸術祭実行委員会
>> 瀬戸内国際芸術祭2016 公式WEB

 

写真提供 : Oscar Oiwa Studio
Text・
構成 : 平野 倫 (アパートメント)

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